暑い季節になると、「朝起きたら足の親指が腫れて激痛が走る」「ぶつけた覚えがないのに足首が痛くて歩けない」と駆け込んでこられる男性の患者さんが一気に増えます。
診察室で「痛風発作の可能性がありますね。一度採血をして尿酸値や炎症の数値を確認してみましょう」とお伝えすると、
-
「えっ、痛風ですか…? お酒もそこまで飲まないのに…」
-
「贅沢な食事なんて普段していませんよ」
と、ショックを受けたり、少し身構えて拒否反応を示される方が少なくありません。
「痛風=不摂生な贅沢病」という昔のイメージが強いため、「自分がそんな病気のはずがない」「生活を否定された気がする」と感じてしまうお気持ちはとてもよく分かります。
しかし、整形外科の現場からお伝えしたいのは、「夏場は健康的な生活を送っている方でも発作の条件が揃いやすい」という事実です。

なぜ夏に多いのか?
-
大量の発汗による脱水 汗をかいて体内の水分が減ると、血液が濃縮されて一時的に尿酸値が急上昇します。
-
夏のレジャーや運動 ゴルフやランニングなどで汗をかいた後、水分補給が追いついていないと関節内に尿酸の結晶が析出しやすくなります。
-
体質・遺伝の影響が大きい 痛風のなりやすさは、食事や飲酒だけでなく「もともと体外に尿酸を排出しにくい体質」が7〜8割を占めると言われています。決して「普段の生活がだらしないから」だけではありません。
採血を行う本当の理由 血液検査を行うのは、生活習慣を責めるためでは決してありません。
-
別の急性の関節疾患(偽痛風や細菌感染症など)ではないかを正確に見分けるため
-
現在の炎症の強さを把握し、一番早く痛みを鎮める薬を適切に選ぶため
痛風発作の激痛は、我慢しても良いことは一つもありません。適切な治療を行えば、数日で驚くほどすっきりと痛みは治まります。
「ちょっと足が痛むけれど、まさか痛風じゃないよな…」と一人で抱え込まず、どうぞ気兼ねなく当院にご相談ください。まずはその辛い痛みを、一緒にしっかり取り除きましょう。
平野整形外科
医師
平野 健一
