【整形外科のブロック治療とは?】
~症状を和らげる注射による治療法~
整形外科では、手術を行わずに症状を改善する「保存療法(保存的治療)」を多く行っています。その中でも、痛みやしびれを和らげる方法として「ブロック治療」があります。
今回は、このブロック治療について詳しくご紹介します。
■ ブロック治療とは?
ブロック治療とは、痛みやしびれの原因となっている神経の周囲に局所麻酔薬や炎症を抑えるステロイド薬などを注射し、症状を改善する治療法です。薬剤が神経に作用することで、痛みやしびれが緩和されることが期待できます。
■ 腰の痛み・しびれに対するブロック治療
- 腰椎疾患に対するブロック
たとえば「腰椎椎間板ヘルニア」や「腰部脊柱管狭窄症」などによって、足の痛みやしびれが出ている方に行います。まれに腰痛に対して行うこともあります。
- 仙骨硬膜外ブロック
骨盤の中にある「仙骨裂孔」という部分から薬を注入し、脊柱管内に広げる注射です。症状が軽い場合には、これだけで大きく改善することがあります。
- 選択的神経根ブロック
障害を受けている神経に直接針を刺して薬を注入する治療法です。明らかな症状があるときに行いますが、どの神経が原因なのかはっきりしないときには、診断目的で行うこともあります。
■ 頚(くび)の神経に対するブロック治療
- 頚椎神経根ブロック
「頚椎椎間板ヘルニア」や「頚椎症性神経根症」などにより、首から腕にかけて痛みやしびれがある場合に行います。
首の神経のすぐ近くには椎骨動脈という重要な血管があるため、造影剤を使うなど安全に配慮した特別な環境での治療が必要です。このため、通常は大きな病院での施行が必要になります。
- 腕神経叢(わんしんけいそう)ブロック
「胸郭出口症候群」など、腕全体にしびれや痛みが出る病気に対して行います。比較的安全な治療法で、当院ではエコーを使って安全に確認しながら行っています。
■ 手や肘のしびれにもブロック治療を
- 正中神経ブロック(手根管症候群)
「手根管症候群」の方に行う治療です。
小指以外の指にしびれや痛みが出て、進行すると親指の付け根の筋肉(母指球)が痩せてくぼんでくるのが特徴です。
- 尺骨神経ブロック(肘部管症候群)
肘の内側で神経が圧迫される「肘部管症候群」に対して行います。
小指や薬指にしびれが出て、進行すると手の甲側の筋肉(背側骨間筋)が痩せてくることがあります。症状によっては手術が必要になる場合もあります。
■ 神経ブロック治療ができる整形外科は限られています
特に「腰椎の神経根ブロック」など専門的なブロック治療は、対応している整形外科クリニックが限られます。
腰からくるしびれや痛みでお悩みの方は、ぜひ一度 平野整形外科にご相談ください。