腱鞘炎だけじゃない!手や指のしびれ・痛みの症状が現れる5つの病気|原因・治療について|名古屋市中村区の整形外科|平野整形外科

ブログ BLOG

腱鞘炎だけじゃない!手や指のしびれ・痛みの症状が現れる5つの病気|原因・治療について


手や指にしびれや痛みが生じると、心配で整形外科を受診する方は珍しくありません。


さらに、手に痛みの症状があると腱鞘炎を思い浮かべる方もいらっしゃるかもしれませんが、実は手や指の痛みの原因は腱鞘炎だけではないのです。


この記事では、手や指の痛み・しびれがある場合に考えられる5つの病気について、原因や治療を解説します。


■手や指の痛み・しびれが現れる5つの病気


手や指に痛み・しびれが出ている場合、以下のような病気が考えられます。


  • 手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)

  • 肘部管症候群(ちゅうぶかんしょこうぐん)

  • 橈骨神経麻痺(とうこつしんけいまひ)

  • 胸郭出口症候群(きょうかくでぐちしょうこうぐん)

  • 頚椎椎間板ヘルニア(けいついついかんばんヘルニア)


これらは、いずれも手や指の「神経」に支障をきたす病気です。

手と指の感覚を支配している神経が圧迫されたり、神経の通り道が狭くなったりするために、痛みやしびれが出現します。


病気ごとに神経が障害される過程が異なるため、原因となる病気を的確に診断し、それぞれに適した治療を行うことが大切です。


次の章から、病気ごとの特徴や原因、治療法を詳しく見ていきましょう。


■手根管症候群


手根管症候群は、親指の内側から薬指の内側の範囲がしびれる病気です。

また、指で物をつまむ力が弱くなったり、細かい動きができなくなったりする場合もあります。


◎原因

手根管症候群によるしびれは「正中神経」が圧迫されることで生じます。

正中神経は手首にある神経で、腱や骨などで形成されている「手根管」を通って指や手に伸びています。


手首のけが、仕事やスポーツでの使いすぎなどにより手根管が狭まると、中を通る正中神経が圧迫を受けてしびれが生じるのです。


◎治療法

手根管症候群の治療は、手首の安静や服薬治療などが基本です。

場合によっては、炎症を落ち着けるための注射なども使用して、痛みやしびれが収まるか観察します。

それでも症状が変わらない場合や悪化していく場合には、手術を提案することもあります。


■肘部管症候群


肘部管症候群は、小指や薬指のしびれを伴う肘の病気です。

しびれが出現するだけでなく、手の筋肉が痩せたり、手の形が変形したりする場合もあります。


◎原因

肘部管症候群の原因は、肘の内側が慢性的に圧迫を受けることです。

肘の使いすぎや、加齢に伴う変形、スポーツ中のケガなどが原因となり、肘の内側を通る「尺骨神経」が圧迫されて起こります。


◎治療法

肘部管症候群の治療は、安静や薬の投与などの保存療法から開始します。

ただし、神経を圧迫している原因が明確な場合には、それを取り除く手術を検討するケースも多いです。


■橈骨神経麻痺


橈骨神経麻痺は、腕の中を通る「橈骨神経」が圧迫されて起こり、親指、人差し指、中指あたりにしびれが出現します。

しびれの他に、手首がだらりと垂れ下がり、自分で動かせなくなることがあるのも特徴です。


◎原因

橈骨神経麻痺は、腕や肩のケガや、長時間の腕の圧迫などが原因で起こります。

腕枕を長時間することでも生じることから「ハネムーン症候群」と呼ばれることもあり、しびれの原因疾患としてはポピュラーな種類です。


◎治療法

長時間の圧迫など、回復の見込みがある場合は保存療法で様子を見ます。

骨折や外傷など、神経を傷つけている原因が明確であれば、早急に手術を行うケースも多いです。


■胸郭出口症候群


胸郭出口症候群の主な症状は、手先にかけての痛みとしびれです。

特に腕を上げたときに顕著に症状が出現します。


また、手の筋肉が痩せたり、細かい動作が苦手になったりする場合もあります。


◎原因

胸郭出口症候群の原因は、首から腕に向かって伸びている神経が圧迫されていることです。

鎖骨や胸の筋肉などの中を通る神経が途中で圧迫され、しびれが発生します。


◎治療法

胸郭出口症候群の治療は、肩や腕を安静にしつつ、リハビリと薬物療法で経過を見るのが一般的です。

消炎鎮痛や血流改善などの薬を服用し、症状が改善するか見ていきます。


ただし、骨格や組織の位置関係などにより、明らかに神経を圧迫している場合には手術も検討します。


■頚椎椎間板ヘルニア


頚椎椎間板ヘルニアは、首のこりや痛み、握力の低下などと共に、手や指のしびれが出現しする病気です。

手先よりも首そのものや肩回りに痛みや違和感を感じる場合があります。


◎原因

頚椎椎間板ヘルニアの原因は、首の骨の間にある椎間板が飛び出し、背骨の中を通る「脊髄(せきずい)」を圧迫することで起こります。

加齢や悪い姿勢での作業などにより、首の骨に負担がかかることが主な原因です。


◎治療法

症状が軽度の場合は薬物療法とリハビリで経過を見ていきます。

握力の低下や感覚の麻痺、しびれが著しい場合は、早期に椎間板を取り除く手術を行うケースも珍しくありません。


■手や指のしびれの診断方法


手や指のしびれは、しびれの原因となる病気を的確に見抜き、それぞれの病気に合った治療を行う必要があります。


医師による視診や触診、レントゲン検査やCT、MRIなどにより、神経に影響が及んでいる原因を突き止めることが重要です。


これらの病気は、整形外科で専門的な検査を受けることで診断できます。

しびれやその他の手先の症状に悩んだ場合は、早めに整形外科へ相談しましょう。


■手や指の痛み・しびれは整形外科で検査を受けよう


手や指に痛み・しびれが出現している場合、原因を突き止めて的確に治療を行う必要があります。

症状の出ている場所や、骨の状態などを検査して原因疾患を突き止め、早期解決を目指しましょう。


手や指の痛み・しびれにお悩みの方は『平野整形外科』へご相談ください。

症状や困っていることを細かくお伺いし、しびれの原因の早期発見と治療をご提供いたします。


平野整形外科
医師
⇒院長の経歴はこちら